アフターピル(ノルレボ=レボノルゲストレル)の副作用は、その多くが軽く、ほとんどが24時間以内に治まります。国内臨床試験では、最も心配されがちな悪心(吐き気)の発現率は9.2%で、実際に嘔吐に至るのは0.9%。もっとも多いのは消退出血(薬の影響で来る出血。生理とは別物)で46.2%ですが、これは薬が効いているサインの一つです。吐き気・頭痛・倦怠感は服用後2〜6時間で出て24時間以内に軽快、出血は数日〜3週間後に起こることがあります。副作用を恐れて服用を遅らせるより、早く飲むほうが妊娠を防ぐうえで大切です。
1副作用の一覧と発現率(添付文書データ)
下の数値は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が公開するノルレボ錠1.5mgの国内第III相臨床試験(65例)で報告された副作用です1。発現率の高い順に並べました。
| 副作用 | 発現率 | どんな症状か |
|---|---|---|
| 消退出血 | 46.2% | 薬の影響で来る出血。生理とは別で、茶色く少量のことが多い |
| 不正子宮出血 | 13.8% | 生理以外のタイミングで起こる少量の出血 |
| 悪心(吐き気) | 9.2% | 軽いムカムカ程度が大半で、24時間以内に治まる |
| 嘔吐 | 0.9% | 実際に吐くのはごくまれ。2時間以内の嘔吐だけ注意 |
| 頭痛・倦怠感・眠気 | 数% | ホルモンの作用によるもの。1日ほどで自然に治まる |
2副作用はいつ出て、いつまで続くのか
吐き気・頭痛・眠気・倦怠感と、出血では出てくるタイミングが違います。前者は当日、出血は数日後からです。
薬が吸収される時間帯。2時間以内に吐いてしまうと再服用が必要になることがある。
吐き気・頭痛・眠気・倦怠感が出やすい。多くは軽いムカムカ程度。
ホルモン成分が代謝され、ほとんどの症状が自然に治まる。
消退出血が起こることがある。茶色く少量が多く、数日〜3週間で終わる。
3なぜ副作用が起こるのか
吐き気と出血は、起こる仕組みが別です。仕組みが分かると、必要以上に怖がらずに対処できます。
4吐いてしまった時の再服用ルール
注意が必要なのは嘔吐だけです。下痢の場合は薬の吸収にほぼ影響しないため、安静にしていれば問題ありません。
| 薬の種類 | 再服用が必要になる目安 |
|---|---|
| ノルレボ(レボノルゲストレル) | 服用から2時間以内に嘔吐した場合 |
| エラ/エラワン(ウリプリスタール) | 服用から3時間以内に嘔吐した場合 |
5副作用が出なくても薬は効いている
「何も症状が出ないと効いていないのでは」と不安になる人がいますが、副作用の有無と避妊の成否は関係ありません。
添付文書の数字どおり、最も多い消退出血でも46.2%=半数以上には出血すら起きず、吐き気は9.2%=約9割の人には吐き気も出ません。症状がないのはむしろ普通のことです。避妊できたかどうかは、予定どおりに生理が来るか、来なければ性交から3週間後に妊娠検査薬で確認します。
6エラ・エラワン(120時間タイプ)との副作用の違い
ウリプリスタールを使うエラ/エラワンは、性交後120時間(5日)まで使えるタイプです。副作用の種類はノルレボとほぼ同じで、発現率も同程度とされています。
| 項目 | ノルレボ(72時間) | エラ・エラワン(120時間) |
|---|---|---|
| 使える時間 | 72時間以内 | 120時間以内 |
| 悪心の発現率 | 9.2%(国内試験) | 同程度 |
| 嘔吐時の再服用 | 2時間以内 | 3時間以内 |
| 国内承認 | 承認済み | 国内未承認(米FDA等では承認) |
大きな違いは「使える時間」と「嘔吐時の再服用基準」で、副作用そのものに大きな差はありません。エラ・エラワンは国内では未承認のため、入手経路や説明をよく確認したうえで選ぶとよいでしょう。
7よくある質問
参考文献
- PMDA 医療用医薬品 ノルレボ錠1.5mg(レボノルゲストレル) pmda.go.jp
- 日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針」 jsog.or.jp
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). "Contraception." cdc.gov
